2020年11月28日土曜日

聖書に親しむウェブページ、いくつか。

 インターネット時代になって、聖書に親しみやすい便利で分かりやすいウェブページも増えてきました。ここでは専門的なものではなく、あくまで聖書について基本的なことを確かめ、理解するのに助けとなるものを、動画を中心にいくつか紹介します。


1.聖書を紹介する動画


聖書プロジェクト BibleProject - Japanese

聖書66巻の各書の全体像を、図表や絵を活用して明快に見せてくれる。

OneHopeJapan

子ども向けの聖書のストーリーのアニメと、大人向けの本格的な新約聖書・福音書の物語のドラマ(セリフなどは意訳した聖書テキストのみという禁欲的なつくり)が視聴できる。

BibleCore バイブルコア

神学の専門家によるやさしい聖書各書の紹介。伊藤明生先生やランダル・ショート先生など私の前職の東京基督教大学の教員たちも登場する。

Superbook - Japanese - Full Episodes

聖書アニメシリーズ「スーパーブック」のエピソード1の全13話分(各話30分弱)が視聴できる。


2.読んだり聞いたりする聖書

パソコン版 聴くドラマ聖書

聖書・新改訳2017のドラマ朗読版。テキスト及び音読がある。

聖書 新共同訳

日本聖書協会の新改訳聖書。テキスト及び音読版がある。

リビングバイブル

聖書をわかりやすく意訳している。テキスト及び音読版がある。

2020年4月8日水曜日

フィリピン語専攻のための「おうちでフィリピン語・フィリピン研究」2:卒論準備

作成していたリンク集の分量が思ったより多くなってきたので、卒論準備に関する部分を別にします。

第1部はこちら。
フィリピン語専攻のための「おうちでフィリピン語・フィリピン研究」

***

卒論等の準備に役立つ資料・論文など

1.卒業論文の書き方

アカデミック・ライティング(大阪大学全学教育推進機構)
レポートや論文の書き方のイロハを学べます。阪大生が入学の際に受け取っている『阪大生のためのアカデミック・ライティング入門』最新版へのリンクもあります。

阪大図書館 るくぱすシリーズから(リンク先はPDFファイル)
分野別レポート入門 文化・社会編
卒業論文にとりかかる - 大阪大学附属図書館
レポート・論文のための 引用の技術 - 大阪大学附属図書館
参考文献の書き方
「パスファインダー」全体のリンク集:ここから絞り込んでみることもできる)
図書館で配布されている調査・研究・執筆の仕方をアドバイスするパンフレットです。
資料の調べ方ガイドからも入れます。

卒業論文の書き方
明治大学文学部の卒業論文のガイド。特に人文科学分野の卒業論文がどのような目的、性質のもので、どういう仕方で作られていけばよいのか、ということが丁寧に書かれている。

卒業論文の書き方・卒業研究作成の仕方
PDFファイル。立命館大学の卒業論文執筆ガイド。13ページに及ぶ充実した内容。

2.卒業論文の資料収集のためのウェブサイト

CiNii Article
J-Stage
日本の雑誌論文等の検索サイト。オンラインでPDF等で入手可能な論文へのリンクもある。また雑誌を所蔵している大学図書館も分かる。

大阪大学図書館
新型コロナウィルスで図書館いけないじゃん! ここに載ってても意味ない、と怒るなかれ。実はこのウェブページはオンラインでもいろいろ役に立つのです。
1)OPAC検索によって、どんな本が大学にあるか事前に調べることはできる。
2)資料の調べ方ガイドは調査の仕方のヒントもある。
3)「さがす」には阪大関連のオンライン資料検索へのリンクがある。
4)IDがあれば、電子ジャーナル、電子ブックにアクセスできる。少ないと思うかもしれないが、例えばPhilippinesで検索すると、意外にヒット数が多くて驚くのでは。
大阪大学図書館はこの状況の中で、「新型コロナウイルスへの対応:無償でアクセスできるデータベース・電子ジャーナル・電子ブック」というリンク集を公表しています。

国立国会図書館デジタルコレクション
著作権上公開に問題のない膨大な量の文献をデジタル化して公開している。フィリピン関連では日本におけるフィリピン理解や過去の日本―フィリピン関係に関する資料が多く所蔵されている。

Google Scholar
Googleの研究成果関連の検索エンジン。広く浅く拾う感じなので、これ一つで一発で検索終了、とはいかないが、色々見つけられる。

Philippines - Academia
研究者が参加し、著作権者として手持ちの論文等を共有し、メールなどでやり取りもできる一種の研究者SNS的なもの。上記Google Scholarなどで入手できないものがあったりもする。但し掲載はすべて参加研究者の意思次第であり、またダウンロードするためにはログインのための登録(無料)が必要となる。

U.P. Diliman Journals Online
フィリピン大学で出版されている多くの学術誌がオンラインで読める。

Ateneo de Manila Journals
フィリピンの名門私立大学アテネオ・デ・マニラ大学の研究誌のポータル。

Digital Collection - University of Santo Tomas Miguel de Benavides Library and Archives
サント=トマス大学附属図書館のウェブサイトにあるデジタルコレクション。歴史資料、大学出版の学術誌、アーカイブの三つからなる膨大な資料群が閲覧できる。

Philippine Studies Archive: 1953-2008
上記アテネオ・デ・マニラ大学によるフィリピン地域研究の重要な雑誌であるPhilippine Studiesの論考が収められている。創刊号から1953-2008年分までは無料で閲覧、ダウンロードできる(それ以降は有料)。
Philippine Studies Archive: 2011-
新型コロナウィルス感染拡大に対応し、Project Museに収められているPhilippine Studiesの有料部分が一時的に無料閲覧、ダウンロードが可能となっている。

Filipinas Heritage Library Online Library
アヤラ博物館付属図書館のオンライン・ライブラリー。古い資料が多いが、一部新しいものもある。

アジア経済研究所-フィリピン関連情報・資料
アジア経済研究所のウェブサイトにはアジア・アフリカに関する日本語・英語の豊富な資料・研究がある。このリンクはそれらの資料のうち「フィリピン」で絞り込んだもの。ウェブサイトにGoogleのウェブサイト内検索もあるので、それも活用できる。

『アジア動向年報』2018-
『アジア動向年報』2007-
『アジア動向年報』バックナンバー
アジア経済研究所による、アジア各国についての毎年の動向分析報告と重要日誌が収められている『アジア動向年報』はこちらで読める。

アジア動向年報重要日誌検索:フィリピン
アジア経済研究所発行の「アジア動向年報」の日誌部分について、1960年代から現在までのデータを検索できる。

3.調査統計資料

Phlippine Statistics Authority
政府のフィリピン統計局のウェブページ。国勢調査や政府諸機関の調査報告が掲載されている。

Social Weather Stations
比較的定評のある世論調査・意識調査機関のウェブページで、調査報告が豊富に置かれている。

Pulse Asia
より新しく設立された世論調査機関のウェブページ。

2020年4月7日火曜日

フィリピン語専攻のための「おうちでフィリピン語・フィリピン研究」

在宅でげんなりな私含めた皆さんの気晴らしの一つとして、オンラインでこんなのもあります、というリストをちょっと作ろうかな、と思っています。少しずつ作業して膨らませていきます。

1.フィリピン語自体の勉強に
東外大言語モジュール フィリピノ語
 フィリピン語の初歩を、音声付きで自学できる優れもの。東京外大すごい。阪大ピノ語も頑張らなきゃ…
東外大言語モジュール フィリピン英語
 そして更なる衝撃。タガログが自在に混じるフィリピン英語の教材が、まさか東京大外(神田外国語大学との共同プロジェクトとのこと)からでるとは。フィリピン語の入門にもいい、かな…?
 フィリピン英語と言えば、フィリピン系カナダ人のコメディアンがやや大げさ気味のフィリピン風英語で、しかし自分たちの民族への愛情たっぷりにノリノリで(悪ノリ気味に?)伝えるこちらも見ていて単純に楽しいし、しかもフィリピン語の発音やフィリピン文化の理解の手がかりにもなる。Mikey Bustos Filipino Tutorials

Learn Filipino with FilipinoPod101.com
オンラインのフィリピン語の語学学校のYouTubeプロモーションビデオだが、無料でここまで提供してビジネスは成り立つのだろうか? と思うほど大量の英語によるレッスンが収められている。2年生以上の学生にとっても復習などにもよさそう。日本語でのフィリピン語入門、中級のクラスや自習を組み合わせれば、この無料の部分だけでもかなりいいレッスンになりそう。

山下美知子/リース・カセル/高野邦夫 著【音声ダウンロード】『大学のフィリピノ語 』
東京外国語大学のフィリピン語テキストの音声教材がダウンロードできる。もちろん本来は市販の教材と組み合わせて用いるべきものではあるが、音声だけでも、特に3,4年生にとっては良い勉強になるのではないかと思う。

Tagalog English Dictionary
発音があり、例文も豊富な優れたウェブ辞書。

タガログ語の小辞書
 オンラインの辞書の中では割と信頼できる。やや量が少ないのと、英語の資料に基づいた直訳風の部分が時々見られるといったこともあるが、そのもとの英訳自体もついている。とにかく結構使える。またタガログ以外のフィリピン諸語も出てくるのが興味深い。

SIL International
世界中の言語に聖書翻訳を行うことから始まった、少数言語の一大研究機関。フィリピン諸言語を含めて多くの情報があるが、特にたとえばLanguage & Culture Archivesフィリピンに関する研究調査データは1000を超え、タガログ語のみならず、多くの言語のデータがある。タガログ語についての記事も50を超える。

Komisyon sa Wikang Filipino
政府のフィリピン国語委員会。国語政策についてみることができる。


2.フィリピンのニュース
a. 動画
Rappler Newscast
 平日の夕に更新される5分ほどの英語のニュースダイジェスト。しかも映像に英語の字幕がつくので分かりやすく、英語の勉強にもなる。
 ちなみにRapplerには多彩なオンライン動画(ニュース、ドキュメンタリー、レポート、ショー(特にバンドのライブ)など)がある。Rappler Videos

GMA News
ABS-CBN News
主要テレビ局の公式YouTubeサイト。関連サイトまで広げればドラマやバラエティなどに広がっていき、色々楽しめる動画が満載。

b. 大手新聞3紙(英字紙)
卒論のためのニュースの検索も、特にこの3紙が重要
Inquirer.net
Philippine Daily Inquirer紙。研究、教育の世界と近く、学術研究ではよく参照される。政府に批判的な傾向がやや強い。
ラジオ局もあり、YouTubeで放送した番組が聴ける。INQUIRER 990 TELEVISION
Philstar.com
Philippine Star紙。簡潔明瞭な記事。特に社説は論点が(単純化されているきらいも時にあるが)分かりやすく、今話題の出来事をとりあえずつかむのに便利。難しい英語はちょっと、という人には、Inquirerよりもとっつきやすいのでは。
Manila Bulletin
行事や政府の発表などがやや淡々と描かれた新聞。伝統のある新聞。

c. その他
CNN Philippines
テレビ局による英語のニュースサイト。

Radio.org.ph
フィリピンの多くのラジオが聴けるポータル。
但し、ラジオ局のホームページやFacebookページで聞くほうがちゃんと聞ける場合も少なくない。例えば
DZBB Live Streaming
Super Radyo DZBB 594khz

702 DZAS - FEBC Radio
プロテスタント系のラジオ局の公式Facebookだが、フィリピン語学習との関係では、この放送局が放送した番組ごとに情報をストックしているところが使いやすく、ライブで流れて終わってしまったり、短いニュースだけ、というのではなく、特定の番組全体をオンデマンドで拾って聴けるのが便利。
特に一日のニュースを30分程度にまとめたBagong Araw(朝)やHudyat Balita(夜)のふたつのニュース番組は、ビデオのためニュースのタイトルの字幕が出ること、弾丸トークが多い一般のラジオのニュースサイトに比べるとゆっくりはっきり読むことなど、外国人学習者にとって優しく便利でもある。この二つの番組の場合は、キリスト教については最後に聖書からちょっと引用する程度で、基本的に一般ニュースに徹したつくりとなっている。そのあたりは、ニュース番組もほぼ教会関係のみ、というカトリック・マニラ大司教区のVeritas846.phと対照的ともいえる。

Basagan ng trip
デ・ラ・サール大学の気鋭の若手歴史学者にして優れた教育者でもあるイケメン先生レロイ・クラウディオが軽快かつシャープに贈る、今のフィリピンについての講義。時々ゲストを迎え入れて、多彩なトピックで送る。英語の要点が板書のように浮かび上がり、アカデミックだがちょっと早口で畳みかける鮮やかなタグリッシュ・トークは、まるで人気教員の授業の一端に触れているかのよう。内容も練られていて、明瞭かつ時に痛快。そして彼のリベラルな教育者、研究者としての良心と、青年への挑戦、フィリピンがいい国になってほしいから真実を、という情熱も伝わってくる。教員のウェブ講義がつまらん、と思ったら、こっちで憂さを晴らせるかも。

3.フィリピンのドキュメンタリー
I-Witness (Full episodes)
フィリピンのテレビ局GMA7のドキュメンタリーシリーズ。30分程度の番組がふんだんに紹介されており、最近のものは放送後数日で公開されてきている。日本も含めたフィリピン外のドキュメンタリーもあるが、大半はフィリピン国内についてである。英語の字幕がついたものも多くはないが40以上集められている。
I-Witness (with English Subtitles)

4.Original Pilipino Music (OPM)、フィリピン・ポップス(P-Pop)
とりあえず以前作ったリストを掲載する。
OPM (Original Pilipino Music) sites

5.博物館
Ayala Museum Online Resources
Ayala Museum (YouTube)
アヤラ博物館の展示物や美術品を見ることができる。

Exhibitions: National Art Gallery, National Museum of the Philippines
フィリピン博物館・美術館の展示内容が写真付きで詳細に紹介されている。右上の「○360」というところを押すと、美術館の3Dのバーチャル映像が見られる。

6.フィリピンのキリスト教
Bible.com(Filipino)
フィリピン語の聖書が無料で読める。このリンクで開けるとまずはMagandang Balita Bibliaの2005年改訂版が読める。左上のタグで聖書内の旧約聖書39(カトリックとプロテスタントの共同翻訳ではあるが、このウェブサイトではカトリックの第2正典(プロテスタントでは正典外の「外典」とされる)は収められていない)、新約聖書27の書物からの選択、右上のタブでバージョンや言語の選択ができる。このサイトのMagandang Balita Bibliaの情報には、出版元であるフィリピン聖書協会(Philippine Bible Society)の翻訳のうち、ここに掲載されている複数の言語による17種類もの翻訳が挙げられている。

ちなみに日本語訳も複数あり、長年広く親しまれてきた新共同訳聖書も読める。ほかに、数多くの英語の翻訳をはじめ、1000を超える多くの言語の2000を超える多くのバージョンが収められている。またアプリをダウンロードして読むことができる。

音声が収められているものもあり、フィリピン語だとフィリピン聖書協会訳ではなくアメリカのBiblicaが出版しているAng Salita ng Diyosのうち新約聖書の部分に、朗読音声が収められている。日本語では新共同訳聖書のすべての書の音声が聞ける。

同種のウェブサイトとしてより老舗のBiblegatewayがある。こちらはブラウザ閲覧のみのようである。

フィリピン聖書協会の新しい試みとして”Heterogeneous Language"としてのTaglish(タガログ語と英語を行き来することば)による新約聖書の翻訳New Testament Pinoy Versionがある。YouTubeに分かりやすいプロモーションビデオが収められている。

JesComTV
フィリピンのイエズス会のメディア部門の公式YouTubeウェブサイト。マニラ大司教タグレ枢機卿も定期的に登場する、一日数分のキリスト教的なちょっといい話を、要点の字幕と共に収めたKape't Pandasal(すでに1000話を超えている)や、割とほんわりゆったり癒し系の讃美歌などが視聴できる。フィリピンのカトリック、イエズス会、そしてフィリピン語になじむことができる。

Papuri! - FEBC PH
アメリカから導入され、英語が主流であったフィリピンのプロテスタント教会の中でも1970年代にナショナリズムが起こった。フィリピン国内のOPM(Original Pilipino Music)の活性化と連動した新しいポップスのコンサートのような礼拝・讃美歌の運動の中で、Papuri!シリーズが生み出され、ミュージックシーンに一定のインパクトをもたらした。この公式YouTubeではその最新シリーズのプロモーションのコンサートの様子が歌詞字幕付きで収められており、Yeng Constantinoのような一般に第一線で活躍しているアーチストも参加している。


7.番外編:フィリピンだけでなく、東南アジアも。
CSEAS 動画プロジェクト
京都大学東南アジア地域研究研究所(CSEAS)の東南アジアでの調査を紹介する動画プロジェクト。日本語で5-10分くらいの周到に編集された動画が、みるものを現地調査の魅力へと誘う。まだフィリピンの動画はないが、魅力的な動画集に違いない。

卒論関連は
フィリピン語専攻のための「おうちでフィリピン語・フィリピン研究」2:卒論準備
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