2020年4月7日火曜日

フィリピン語専攻のための「おうちでフィリピン語・フィリピン研究」

在宅でげんなりな私含めた皆さんの気晴らしの一つとして、オンラインでこんなのもあります、というリストをちょっと作ろうかな、と思っています。少しずつ作業して膨らませていきます。

1.フィリピン語自体の勉強に
東外大言語モジュール フィリピノ語
 フィリピン語の初歩を、音声付きで自学できる優れもの。東京外大すごい。阪大ピノ語も頑張らなきゃ…
東外大言語モジュール フィリピン英語
 そして更なる衝撃。タガログが自在に混じるフィリピン英語の教材が、まさか東京大外(神田外国語大学との共同プロジェクトとのこと)からでるとは。フィリピン語の入門にもいい、かな…?
 フィリピン英語と言えば、フィリピン系カナダ人のコメディアンがやや大げさ気味のフィリピン風英語で、しかし自分たちの民族への愛情たっぷりにノリノリで(悪ノリ気味に?)伝えるこちらも見ていて単純に楽しいし、しかもフィリピン語の発音やフィリピン文化の理解の手がかりにもなる。Mikey Bustos Filipino Tutorials

Learn Filipino with FilipinoPod101.com
オンラインのフィリピン語の語学学校のYouTubeプロモーションビデオだが、無料でここまで提供してビジネスは成り立つのだろうか? と思うほど大量の英語によるレッスンが収められている。2年生以上の学生にとっても復習などにもよさそう。日本語でのフィリピン語入門、中級のクラスや自習を組み合わせれば、この無料の部分だけでもかなりいいレッスンになりそう。

山下美知子/リース・カセル/高野邦夫 著【音声ダウンロード】『大学のフィリピノ語 』
東京外国語大学のフィリピン語テキストの音声教材がダウンロードできる。もちろん本来は市販の教材と組み合わせて用いるべきものではあるが、音声だけでも、特に3,4年生にとっては良い勉強になるのではないかと思う。

Tagalog English Dictionary
発音があり、例文も豊富な優れたウェブ辞書。

タガログ語の小辞書
 オンラインの辞書の中では割と信頼できる。やや量が少ないのと、英語の資料に基づいた直訳風の部分が時々見られるといったこともあるが、そのもとの英訳自体もついている。とにかく結構使える。またタガログ以外のフィリピン諸語も出てくるのが興味深い。

SIL International
世界中の言語に聖書翻訳を行うことから始まった、少数言語の一大研究機関。フィリピン諸言語を含めて多くの情報があるが、特にたとえばLanguage & Culture Archivesフィリピンに関する研究調査データは1000を超え、タガログ語のみならず、多くの言語のデータがある。タガログ語についての記事も50を超える。

Komisyon sa Wikang Filipino
政府のフィリピン国語委員会。国語政策についてみることができる。


2.フィリピンのニュース
a. 動画
Rappler Newscast
 平日の夕に更新される5分ほどの英語のニュースダイジェスト。しかも映像に英語の字幕がつくので分かりやすく、英語の勉強にもなる。
 ちなみにRapplerには多彩なオンライン動画(ニュース、ドキュメンタリー、レポート、ショー(特にバンドのライブ)など)がある。Rappler Videos

GMA News
ABS-CBN News
主要テレビ局の公式YouTubeサイト。関連サイトまで広げればドラマやバラエティなどに広がっていき、色々楽しめる動画が満載。

b. 大手新聞3紙(英字紙)
卒論のためのニュースの検索も、特にこの3紙が重要
Inquirer.net
Philippine Daily Inquirer紙。研究、教育の世界と近く、学術研究ではよく参照される。政府に批判的な傾向がやや強い。
ラジオ局もあり、YouTubeで放送した番組が聴ける。INQUIRER 990 TELEVISION
Philstar.com
Philippine Star紙。簡潔明瞭な記事。特に社説は論点が(単純化されているきらいも時にあるが)分かりやすく、今話題の出来事をとりあえずつかむのに便利。難しい英語はちょっと、という人には、Inquirerよりもとっつきやすいのでは。
Manila Bulletin
行事や政府の発表などがやや淡々と描かれた新聞。伝統のある新聞。

c. その他
CNN Philippines
テレビ局による英語のニュースサイト。

Radio.org.ph
フィリピンの多くのラジオが聴けるポータル。
但し、ラジオ局のホームページやFacebookページで聞くほうがちゃんと聞ける場合も少なくない。例えば
DZBB Live Streaming
Super Radyo DZBB 594khz

702 DZAS - FEBC Radio
プロテスタント系のラジオ局の公式Facebookだが、フィリピン語学習との関係では、この放送局が放送した番組ごとに情報をストックしているところが使いやすく、ライブで流れて終わってしまったり、短いニュースだけ、というのではなく、特定の番組全体をオンデマンドで拾って聴けるのが便利。
特に一日のニュースを30分程度にまとめたBagong Araw(朝)やHudyat Balita(夜)のふたつのニュース番組は、ビデオのためニュースのタイトルの字幕が出ること、弾丸トークが多い一般のラジオのニュースサイトに比べるとゆっくりはっきり読むことなど、外国人学習者にとって優しく便利でもある。この二つの番組の場合は、キリスト教については最後に聖書からちょっと引用する程度で、基本的に一般ニュースに徹したつくりとなっている。そのあたりは、ニュース番組もほぼ教会関係のみ、というカトリック・マニラ大司教区のVeritas846.phと対照的ともいえる。

Basagan ng trip
デ・ラ・サール大学の気鋭の若手歴史学者にして優れた教育者でもあるイケメン先生レロイ・クラウディオが軽快かつシャープに贈る、今のフィリピンについての講義。時々ゲストを迎え入れて、多彩なトピックで送る。英語の要点が板書のように浮かび上がり、アカデミックだがちょっと早口で畳みかける鮮やかなタグリッシュ・トークは、まるで人気教員の授業の一端に触れているかのよう。内容も練られていて、明瞭かつ時に痛快。そして彼のリベラルな教育者、研究者としての良心と、青年への挑戦、フィリピンがいい国になってほしいから真実を、という情熱も伝わってくる。教員のウェブ講義がつまらん、と思ったら、こっちで憂さを晴らせるかも。

3.フィリピンのドキュメンタリー
I-Witness (Full episodes)
フィリピンのテレビ局GMA7のドキュメンタリーシリーズ。30分程度の番組がふんだんに紹介されており、最近のものは放送後数日で公開されてきている。日本も含めたフィリピン外のドキュメンタリーもあるが、大半はフィリピン国内についてである。英語の字幕がついたものも多くはないが40以上集められている。
I-Witness (with English Subtitles)

4.Original Pilipino Music (OPM)、フィリピン・ポップス(P-Pop)
とりあえず以前作ったリストを掲載する。
OPM (Original Pilipino Music) sites

5.博物館
Ayala Museum Online Resources
Ayala Museum (YouTube)
アヤラ博物館の展示物や美術品を見ることができる。

Exhibitions: National Art Gallery, National Museum of the Philippines
フィリピン博物館・美術館の展示内容が写真付きで詳細に紹介されている。右上の「○360」というところを押すと、美術館の3Dのバーチャル映像が見られる。

6.フィリピンのキリスト教
Bible.com(Filipino)
フィリピン語の聖書が無料で読める。このリンクで開けるとまずはMagandang Balita Bibliaの2005年改訂版が読める。左上のタグで聖書内の旧約聖書39(カトリックとプロテスタントの共同翻訳ではあるが、このウェブサイトではカトリックの第2正典(プロテスタントでは正典外の「外典」とされる)は収められていない)、新約聖書27の書物からの選択、右上のタブでバージョンや言語の選択ができる。このサイトのMagandang Balita Bibliaの情報には、出版元であるフィリピン聖書協会(Philippine Bible Society)の翻訳のうち、ここに掲載されている複数の言語による17種類もの翻訳が挙げられている。

ちなみに日本語訳も複数あり、長年広く親しまれてきた新共同訳聖書も読める。ほかに、数多くの英語の翻訳をはじめ、1000を超える多くの言語の2000を超える多くのバージョンが収められている。またアプリをダウンロードして読むことができる。

音声が収められているものもあり、フィリピン語だとフィリピン聖書協会訳ではなくアメリカのBiblicaが出版しているAng Salita ng Diyosのうち新約聖書の部分に、朗読音声が収められている。日本語では新共同訳聖書のすべての書の音声が聞ける。

同種のウェブサイトとしてより老舗のBiblegatewayがある。こちらはブラウザ閲覧のみのようである。

フィリピン聖書協会の新しい試みとして”Heterogeneous Language"としてのTaglish(タガログ語と英語を行き来することば)による新約聖書の翻訳New Testament Pinoy Versionがある。YouTubeに分かりやすいプロモーションビデオが収められている。

JesComTV
フィリピンのイエズス会のメディア部門の公式YouTubeウェブサイト。マニラ大司教タグレ枢機卿も定期的に登場する、一日数分のキリスト教的なちょっといい話を、要点の字幕と共に収めたKape't Pandasal(すでに1000話を超えている)や、割とほんわりゆったり癒し系の讃美歌などが視聴できる。フィリピンのカトリック、イエズス会、そしてフィリピン語になじむことができる。

Papuri! - FEBC PH
アメリカから導入され、英語が主流であったフィリピンのプロテスタント教会の中でも1970年代にナショナリズムが起こった。フィリピン国内のOPM(Original Pilipino Music)の活性化と連動した新しいポップスのコンサートのような礼拝・讃美歌の運動の中で、Papuri!シリーズが生み出され、ミュージックシーンに一定のインパクトをもたらした。この公式YouTubeではその最新シリーズのプロモーションのコンサートの様子が歌詞字幕付きで収められており、Yeng Constantinoのような一般に第一線で活躍しているアーチストも参加している。


7.番外編:フィリピンだけでなく、東南アジアも。
CSEAS 動画プロジェクト
京都大学東南アジア地域研究研究所(CSEAS)の東南アジアでの調査を紹介する動画プロジェクト。日本語で5-10分くらいの周到に編集された動画が、みるものを現地調査の魅力へと誘う。まだフィリピンの動画はないが、魅力的な動画集に違いない。

卒論関連は
フィリピン語専攻のための「おうちでフィリピン語・フィリピン研究」2:卒論準備
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