それでもクラシック音楽を聴きたい私は、もう既に、ウェブ上には広報を兼ねた無料の音源がいろいろ公開されていることに気づいていたので、仕事の合間などに息抜きに音楽を聴くならそういうところを活用しようと改めて思っている。
で、忘れないようにリストを作っておこうと思った。クラシック音楽が好きな人は少数派だとしても、そういう人のお役にたてれば、というのもある。
特におすすめのサイトに*をつけておく。
1.解説のついたクラシック入門、勉強にもなりそうなサイト。
*クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~
著作権切れの音源についてはこちら。少々癖のある管理人さんが、豊富な音源を丁寧に吟味しつつ惜しみなく注ぎ込んできたが、最近は健康を害されたとのことで更新が中断されている。名盤の名高いものも多く、1950年代後半の音源からはステレオ期に入り、音の良いものもたくさんある。1967年までの録音が著作権フリーになっているとのこと。
Classic Manager
著作切れの音源を公開している英語のサイト。韓国人の運営しているウェブサイトと記されている。上のサイトと比べると録音についての情報等が少なく、また通常の分野や演奏家によるカテゴリー分けなどがされていないので見づらさはある。最近登録が必要になり、使い勝手が悪くなった印象。しかも有料コンテンツもあるというので、ビジネスでやり始めたことがよく分かる。奇妙なことだが、上記Blue Skyのような管理人の個性と趣味が強く反映され、その長年の活動の履歴が読めるようになっているウェブサイトの方が、このサイトのような客観的な装いのウェブサイトよりも信用できるように感じられる。それはおそらく、著作権者ではない人が、期限が切れたとはいえ他人の著作物をどう利用するのかのスタイルの問題かと思う。趣味で作ったアーカイブを趣味故に惜しげもなく公開しているBlue Sky Labelのyungさんには、底知れないお人よしさの奥に誠意と善意を感じるから信頼できるのかもしれない。このウェブサイトに同様のことを感じることはあり得ない。サービスと割り切り、便利さとバランスを重視して、ちょっとの個人情報と引き換えにこちらに登録し利用するかどうか。
東京アカデミーオーケストラ 〜指揮者のいない室内オーケストラ
慶応オケ、早稲田オケの卒業生を中心とした、指揮者を置かないアマチュア・オーケストラ。プロほどの精度はない(とはいえアマチュアとしてはかなりのレベルでは)代わりに、その独特の集中力と、仕事でない故か時に発揮される強烈なノリに驚かさせられる。過去の演奏会記録から、高音質の音源がたくさん聞ける。
PTNA(全日本ピアノ指導者協会)によるピアノ音楽のウェブ事典で、YouTubeのPTNA公式サイトのものを中心に極めて幅広く多くの作品の音源が紹介されている。ピアノソロの曲だけでなく、ピアノ協奏曲、室内楽など、ピアノにかかわる様々な作品が取り上げられている。その音源はPTNAの公開録音やコンクールのものが多く、世界的に名の知れた演奏家の音源も含まれている。
2.オーケストラの公式サイト
シカゴ交響楽団の公式の音源サイト。期間限定だが豊富な音源から聴ける。
*New York Philharmonic: Watch & Listen
ニューヨーク・フィルの公式の音源サイト。こちらも豊富な音源から聴ける。
San Francisco Symphony Stream Concerts
サンフランシスコ交響楽団の音源サイト。直接聞ける音源は少ないが、専用のラジオ局からのストリーミングもこのページからきける。どちらも音質はとても良い。
Detroit Symphony Orchestra
デトロイト交響楽団の公式YouTubeサイト。
DSO Replay
同じくデトロイト交響楽団の公式動画サイト。
*hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony
フランクフルト放送交響楽団の公式YouTubeサイト。豊富で長時間の精度の高い演奏が聴ける。
*NDR Elbphilharmonie Orchester
北ドイツ放送エルプフィルハーモニー交響楽団(北ドイツ放送交響楽団として知られてきたが、最近改称)のYouTube公式サイト。ダイジェストが多いが、全曲演奏もかなりある。
*SinfonicadeGalicia
ガリシア交響楽団ということになるか。公式YouTubeサイト。セーゲルスタム、スクロヴァチェフスキー、マゼール、ユロフスキ、ポリーニ父子(息子さんが指揮者なのですね)などの錚々たる指揮者による演奏が並び、いくつか聞く限り充実の演奏を聞かせているので、日本であまり知られていないにせよ一定の水準の団体と言っていいと思う。
北ドイツ放送エルプフィルハーモニー交響楽団(北ドイツ放送交響楽団として知られてきたが、最近改称)のYouTube公式サイト。ダイジェストが多いが、全曲演奏もかなりある。
*SinfonicadeGalicia
ガリシア交響楽団ということになるか。公式YouTubeサイト。セーゲルスタム、スクロヴァチェフスキー、マゼール、ユロフスキ、ポリーニ父子(息子さんが指揮者なのですね)などの錚々たる指揮者による演奏が並び、いくつか聞く限り充実の演奏を聞かせているので、日本であまり知られていないにせよ一定の水準の団体と言っていいと思う。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の公式YouTubeサイト。主にダイジェストだが、それでもかなり聞きごたえがあり、またいくつかの長い作品の全曲演奏もある。
GSOplay
スウェーデンのエーテボリ交響楽団の公式動画サイト。シベリウス演奏などで名高いが、それ以外でも非常に精度の高い優れた演奏を聴かせる。
RSPOplay
やはりスウェーデンのロイヤル・ストックホルム・フィルの公式動画サイト。こちらもきわめて精度の高い音楽が聴ける。
WDR SinfonieorchesterFreunde
ケルン西ドイツ放送交響楽団・友の会の公式YouYubeサイト。この「友の会」Freundeが長大な作品の全曲演奏をいくつも紹介しているのが面白い。
Guerzenich-orchester Koeln
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の公式YouTubeサイト。
Deutsche Radio Philharmonie
ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団の公式YouTubeサイト。
Symfonieorkest Vlaanderen
フランダース交響楽団ということになるか。公式YouTubeサイト。よく存じ上げないが、聞く限り十分な実力を感じさせる。
Filharmonia Narodowa
ワルシャワ・フィルの公式YouTubeサイト。
*洗足学園音楽大学 SENZOKU Video
音大のYouTubeサイトですが、想像以上に高水準な演奏が聴かれます。オーケストラは大御所である秋山和慶さんの指揮による充実した演奏に驚かされたりします。
3.ソリストなどの公式サイト
*Henryk Wieniawski
ヴィエニャフスキー・ヴァイオリン国際コンクールの公式YouTube。コンクールでの演奏が中心。
*Chopin Institute
ショパンコンクール主催者の公式サイト。コンクールの音源が豊富に紹介されており、コンクールの際にライブ配信も行っている。
Jukka-Pekka Saraste
フィンランド出身の世界的指揮者ユッカ=ペッカ・サラステの公式YouTubeサイト。これほど著名な指揮者個人のサイトでこれだけ聴けようにしてあるのは興味深い。
Nathalie Stutzmann
コントラルト歌手として知られ、近年は指揮活動を展開しているシュトゥッツマンの公式YouTubeサイト。
András Vass
ハンガリーの指揮者の公式YouTubeサイト。200年もの伝統を持つハンガリーのパノン・フィルというオーケストラの指揮者のようで、高名な指揮者イヴァン・フィッシャーの推薦する指揮者とのこと。指揮者もオーケストラも名前を知らなかったが、演奏を聴く限りかなり高水準と感じる。
*Anne Akiko Meyers
ヴァイオリニスト、アン・アキコ・マイヤーズさんの公式YouTube。
Luiz Fernando Perez
ピアニスト、ルイス・フェルナンド・ペレスの公式YouTube。アルベニス、グラナドス、ファリャなどスペインの音楽(だけではない)がいろいろ聞ける。
ValentinaLisitsa
YouTubeでの活動が話題になり、メジャーデビューを果たしたというクラシックとしてはやや異色というか新しいタイプのアーチスト。ただ、ピアニストとして正規の教育を受け、コンクール入賞なども果たしてきたという。
小瀧 俊治 オフィシャルウェブサイト
若手ピアニストのみずみずしい演奏が聴ける。
Ysaye Quartet
イザイ弦楽四重奏団のYouTubeサイト。過去にテレビ放送された音源を用いているようだが、きれいな音で見事な演奏が聴ける。
SoundProfessional Boston
クラシック音楽専門の録音技師の方がサンプル(にしてはかなり多い…)を紹介しているサイト。若手演奏家によるピアノ曲、室内楽、声楽などの小編成の演奏がかなり豊富におさめられている。
SiccasGuitars
ドイツのギター商のYouTubeサイトで、ギターの演奏がたくさんある。
4.放送局・レコード会社のサイト
*AVROTROS Klassiek
オランダの放送局の公式YouTubeサイト。映像がついて、オーケストラだけでなく、室内楽、独奏など、多くのジャンルの音楽がアップされている。
*EuroArtsChannel
DVDなどを扱うEuroArtsの公式YouTubeサイト。この手のサイトとしては驚くほどたくさんの動画が全曲アップされている。特に故クラウディオ・アバドの指揮する演奏動画が豊富にある。
*BBC Sounds - Classical
BBCで放送されたクラシック番組が聞ける。
NPO Radio 4 Videoarchief
オランダの放送局による動画の配信。オランダ放送フィルの音源などが高画質、高音質で視聴できる。
*Luister Concerten
同放送局のコンサート音源。アップされている期間が短いが、更新も多く、高音質で新しい演奏をふんだんに聴ける。
*BR-Klassik Concert
バイエルン放送のコンサート動画配信サイト。NPO Radio 4と同様に高画質、高音質なのに驚かさせられる。
*SWR Classic
南西ドイツ放送のクラシック音楽動画配信サイト。映像、音ともとてもきれい。
ARTE Classical
フランスの放送局のクラシック音楽動画配信サイト。
99.5 WCRB Classic
アメリカはボストンの放送局のクラシックページ。ボストン交響楽団などの音源を配信している。
*Symphony Cast
American Public Mediaによる管弦楽団のクラシック音楽コンサート音源の配信。通常各コンサートは二部に分けてある。様々の一流オーケストラの演奏が聴ける。
*OTTAVA
クラシック音楽のさわりを軽やかなDJと共に送る「気軽にクラシック」なウェブラジオ局。
Collins Classics
このレーベルで過去出された130ものアルバムの音源が、インターネット上で公式に公開されていたのに気づいて絶句。YouTubeサイトはこちら。
*Collins Classics
*Brilliant Classics
メジャーレーベルの古い音源を格安でまとめて販売することで知られてきたレーベルだが、同時に最新のオリジナルの録音をコンスタントに出し続けてきた。この会社が、自社のオリジナルの録音をふんだんにYouTube公式サイトで公開している。上記のCollinsに並ぶ衝撃の大盤振る舞い。
そのBrilliantが宣伝を出しているので、同系統と思われるのがこちら。
Piano Classics
*Naxos Japan (YouTube)
有料で音源配信しているNaxosによる、YouTubeによる無料音源の配信。短い曲や、長い曲の一部がいろいろ聞ける。
France musique
ラジオ・フランスの音楽動画サイト。かなりたくさんの動画がアップされている。
YouTubeのサイトもある。
France Musique
インターネット上のクラシック音楽を放送するラジオ局のリンク集。非常に多く、私もまだほとんどチェックしていない。
5.特定の作曲家の作品などのサイト
*All of Bach
オランダのバッハ協会による、バッハ演奏の紹介サイト。惜しげもない動画の紹介にただただ驚く。YouTubeサイトはこちらで、こちらの方が見やすいかもしれない。
Netherlands Bach Society
Handel and Haydn Society
ヘンデル・ハイドン協会の公式YouTubeサイト。
Anton Bruckner: Download of the Month
アメリカ・ブルックナー協会のホームページ。ブルックナー作品のディスコグラフィを掲載したサイトだが、そこに毎月ダウンロードできる音源が追加されている。
(気が向いたときに随時追加します)